ペルシア絨毯基礎知識
象徴としてのモチーフ
シルクロード絨毯には、美をかたちづくる装飾模様の数々のモチーフがあります。遊牧民の夢や幻想、敬虔な祈りから読み取ることができます。意味のないモチーフは無いと言われるほど、シルクロード絨毯のひとつひとつのモチーフは象徴性に富んでいます。
シャーアッパス文・パルメット文・エスリム文(アラベスク)
サファビー朝のシャー・アッバス時代につくられた文。百合・蓮などのモチーフが多い。 シャー・アッバス文のフィールドに描かれる唐草文様。
(左から)シャーアッパス文・パルメット文・エスリム文
ミナ・ハネ文
菱形の中に小花文を置き、茎が網の目のように連続しているのが特徴。起源はペルシアのコラサーン地方と思われます。
しだれ柳文(ビーデ・マジムーン)
揺れ動く心を、しなやかな柳にたとえたデザインです。
松ぼっくり文(ボデベイズリー)
気品高い木として崇められている松や松ぽっくりは、尊敬を象徴します。また、ペイズリーは女性の涙を表していると言われています。
雲型文(雲のリボン)
普遍のシンボル。ギリシア語のアルファベットのオメガがモデルとなっています。
ヘラーティ文(マヒ)
魚のデザインは、家庭の平和と幸福のシンボルです。
生命の樹
枝を広げ、葉や花を豊かに茂っている様を表すツリー・オブ・ライフ、生命の源であり、長寿願望、子孫繁栄も表されています。
動物文(犬・ラクダ・鳥)
乾いた風土では水への思いは格別なものがあります。豊穣への願望が託され、同時に清潔も意味します。
花瓶文(ゴルダニ)
チンターマニ
(宝珠文):二本の波形平行線の上に三個の円点、円球を三角状においた文様。トルコでは16世紀頃流行。起源を斑点のある獣皮の文様化と中国仏教において用いられた宝珠の表象とする説がある。
糸杉文
生命の木としても表現されますが、糸杉は優美な美しさと悲しみを表します。
人(男・女)
星
ゴル(ボハラ)
(左から)ブラハのギュル・テッケ族のギュル・サリク族のギュル
主にボーダーに使われるモチーフ
かに
S字パターン
走る犬
サソリ
クシ
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