ペルシア絨毯基礎知識
文様
絨毯文様とそのモチーフに込められた、遊牧民の願い。
地域によってさまざまに違うシルクロード絨毯の文様構成。
メダリオン文様（植物文様） 絨毯の代表的なデザイン
「15世紀の写本の表紙」のデザイン
このデザインが最初に使われたのは15世紀、ブックカバーのデザインとしてでした。
16世紀サファビー朝ペルシア時代、絨毯のデザインとして使用されてからは、曲線的で優美なものが増え、複雑なデザインのものが多くなっています。
ミフラーブ文様（MIHRAB）
ミヘラブ絨毯は祈祷用でなく、単に装飾用としてこのデザインが使用されていることが多いです。その他、狩猟文様、庭園文様などがこれに組み合わせることがあります。
NICHE ニッチ（壁龕＝へきがん）
モスクの壁龕を意味し、礼拝用に用いるモチーフです。祈りの時文様がメッカの方向を指すように敷きます。（文様にゴルダニや生命の木を配することが多い）
幾何学文様
遊牧民の伝統を表すデザイン。
トランジ（TOURANJ）
大きな円形または楕円形が中心に配されているデザイン。
楕円の中に円形を配したものを特にAFSHAN（アフシャ）と呼びます。
ペイズリーとして知られているカシミール・ショールの代表的なモチーフを配しているので特にBOTTE TERME（ボッテテルメ）と呼びます。
ゴルダニ（GOLDANI）
ペルシア伝統のモチーフのひとつ。花瓶から伸びる大きな開花文が一面に広がるその文様構成が大きな特徴です。
ジョーシャガン（JOSHAGHAN）
花文で飾ったひし型を幾何学的に組み合わせたジャングルを表す文様。ジョーシャガン地方に古くから伝わっています。
ヘシティ（KHESHITI）
植物や動物の姿のモザイクスタイルを規則的に配した文様。モスクの壁画に似た文様になっています。
モハラァマット（MOHARRMST）
ペルシア錦に多く見られるパターンのストライプをモチーフにした文様。
モザイキ（MOZAYEKI）
宮殿などの床のデザインをモチーフとした文様のことを指します。
ゴンバディ（GONBAD）
モスクの天井に描かれたデザインをモチーフとした文様のことを指します。
ミニアチュール（MINITURE）
細密画文様
13世紀頃に確率した、イスラム世界の詩や物語、人物などを伝えるための細密画に表した文様。
マヒ（MAHI）
魚の形に似た文様。ヘラート文様とも呼ばれます。タブリーズ、サルーク、ビジャーなどの地方でよく使われています。
シカルーガ（SHEKARGAH）
王侯貴族が狩りを楽しむ様子が描かれてあり、古いものではメソポタミアで紀元前3世紀の獅子狩り文などがあります。
デラヘティ（DARAKHTI）
生命の木ー代表的な文様のひとつで、樹木は生命の維持、豊穣を表しており、楽園や神の国を象徴していると言われています。
ボスバンディ（BAZOBANDI）
ブレスレットを並べたように見えるためにこう呼ばれます。仕切られたフレームの中に花園や楽園が描かれたりします。
※当サイト上に掲載の画像のコピー、文章の引用等は固くお断りいたします。
